今月の一句(6月どうしん句会)

6月どうしん句会

今月の兼題は「蝸牛」でした。

雨の季節を迎え街のいたるところで紫陽花の色が深まっています。この季節に合う生き物といえばやはり蝸牛でしょう。今月の季題「蝸牛」は「ででむし」「まいまい」等いろいろな呼び名があり今日の作品にも使われていました。

写真は5月特選第一席句「履きしまま洗ふ長靴青嵐」 桑島久乃さんです。

以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。

今月の特選句

蝸牛湾岸なべて風の中           鹿兒島俊之

あじさいの茂みの猫に見つめられ   小川亶

父の忌を修す窓辺にかたつむり    浅野浩利

入選句

でで虫や静かに老いて朝日受く     桑島貞明

豆飯やおかずはほんの二、三品    野崎幾代

滴りを手にうけつつの一休み       坂井正巳

爪を剪る音のにぶさや梅雨気配    下山道郎

会員の句

亀嗤ふ我より遅き蝸牛          花房俊明

蝸牛棚田仕切れる畔ごとに      土方元夫

でで虫や降水確率ゼロの朝      中島篤三

雨あがり葉裏をなぞるかたつむり   大崎太郎

初夏の間口のせまき銘菓店      徳弘多史

まいまいの角の向く先にわたずみ   蓮尾碩才

湖を見て風を聴きをり蝸牛         桑島久乃

夏帽子開け放したる窓の傍       佐道正

外苑は槌音高し夏木立           中川昌明

でで虫やけふ雀荘の集会所      葛巻正樹

(蓮尾碩才 記)

 

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