12月句会の一句(うめしん句会)
12月10日第97回定例句会 今月の兼題は隅田清さん出題の「冬の山」です。 冬の山はいろいろな様相を見ることが出来ます。 雪を被って輝く山は神々しくもあり、また『山眠る』という季語に象徴されるように静まり返った寂しい印象の季語でもあります。 今月の写真は福島県磐梯山の風景です。東北の山々はこれから長い冬の静寂に包まれます。
〈今月の特選句〉
1席 間伐の音深くなり冬の山 菅 治
2席 冴ゆる夜の尾鰭の焦げし自在鉤 勝浦 かよ子
3席 狩り立てる冬の山坂勢子と犬 森 茂生
〈今月の入選句〉
無事手術終えて煌めく冬茜 石澤 貞男
波音を子守唄とし冬の山 勝浦 かよ子
赤提灯いつもの席の隙間風 二反田 昌雄
風紋に濃き縞生まる冬落暉 横田 侃
鸛鶴のぬき足赤し冬田道 横田 侃
枯山や平家の里のちぎれ雲 吉田 慶三
〈今月の一句〉
年の暮今年も聞くよ第九かな 隅田 清
園児らの若子抱くよな大根抜き 高田 信義
冬の山白き頂動かざる 津田 良夫
刷り物の藤樹の遺訓寺時雨 虎井 勝義
信楽の狸ぶるぶる北颪 西岡 重毅
ビル街の群雲染める冬夕焼 藤井 桂子
次回は1月14日、兼題は「初風呂・悴む」です。 いよいよ今年も終わりに近づき、平成から令和に変わった記念すべき一年でありました。
「去年今年貫く棒の如きもの」虚子 皆様のご多幸をお祈りして、来年も俳句同好会にお付き合いいただきますようお願いします。
(勝浦 かよ子記)