6月の句会
今月のお題は「地」と席題の「明け易し」で、当季雑詠を含む4句が出句されました。
今月は浅野浩利さんが入会を前提に見学を兼ねて句会に参加されました。結果、句会参加者は17名、投句を入れて80句が出句され激戦の句会となりました。席題の「明け易し・短夜」は、まどろんでもすぐ夜が明けてしまう初夏の状況を表す季語です。因みに俳句では、春は「日永」夏は「短夜」秋は「夜長」冬は「短日」と表現します。
入選句は下記の通りです。
麦秋の真っ只中の風の巾 大崎 太郎
地に満つる芝の絨毯夏来る 桑島 貞明
でで虫に見られし鍵の隠し場所 沼田 重子
地下足袋の波打つかたち祭笛 中島 篤三
明早し地球丸ごと深呼吸 野崎 幾代
分水嶺標の文字の明早し 横田 侃
<会員の紹介>
今月は中島篤三さんです。
当句会で最も俳句理論に詳しく、また句会結社や俳人の師系にも精通しています。作る俳句は季語の使い方を含め正統派の俳句で、豊富な植物や自然観察の知識から色彩の多い句になっています。現在病気療養中で、一日も早い復帰が待たれます。
以下代表句です。
妻の顔母に重なり柏餅
十薬の花の主張を認めけり
全集は紙魚の住み家となりしまま
焼酎をひとり放哉山頭火
文庫本一気に八十八夜寒
噴水の泡に溶け合ふビルの色
足裏の糊のごとくに半夏生