7月の句会
今月のお題は「電」と席題の「西日」で、当季雑詠を含む4句が出句されました。
7月の句会は投句の無い欠席者も多く、全部で72句の出句となり、少ないながら秀句も多く激戦の句会となりました。今月の席題の季語「西日」は単なる夕日や夕暮れの状況を言うのではなく、耐え難い暑い午後の情景を表す典型的な夏の季語です。今年は天候も不順ですが早い梅雨明けが期待されます。
今月の入選8句
十薬の白さの十字自己主張 大崎 太郎
西日部屋電解質の水と居る 蓮尾 碩才
闇からの生れし花火闇に消ゆ 桑島 貞明
江ノ電のカーブきりきり海開 花房 俊明
雨蛙鳴く裏口に別の闇 沼田 重子
大西日口癖ひとつ溢れ落つ 野崎 幾代
思い出を詰め込んでいる紙風船 八尋 晃
手をかざし西日へ向かう僧ひとり 大屋 真理子
<会員の紹介>
沼田重子さんも当句会では古い会員の一人で、合同句集「どうしん」の第一巻から参加し,
当句会では数少ない女性会員の一人です。
沼田さんの俳句はまさに女性ならではの繊細な句が多く、草花に対する豊富な知識から毎月の句会では常に南雲先生の入選・特選句の対象になっています。
以下代表句です
葱坊主いつもうなづき合っている
ふんばってふんばってゐる茄子の馬
七草粥ふと父のこと母のこと
町の灯は闇のほころび風の盆
無理せずに生きてくつもり茄子の花
片側はまだ海の色秋刀魚焼く