7月句会は、4名が欠席されましたが、渡辺恬さんが見学者として出席され、選句に加わって頂きました。兼題は、虎井勝義さん出題の「麦茶」でした。夏の季語としては、生活に密着した言葉で、どこの家庭にもある手短な夏の飲み物であり、取り組みやすかったか、ひとり一句以上の出句があって投句数52句のうち17句を占めました。
また、故郷隠岐の島に滞在されている横田侃さんから投句があり、島の風物を詠まれた句が出席者から大きな評価を受けました。
なお、春の関西同友会総会の席上、即興句の話があり宿題になっていましたが、七月句会で「旧交をあたたむ笑顔風薫る」「梅雨晴や絆深める同友会」「梅雨晴間交歓の輪のをちこちに」の3句を出句しましたことをご報告いたします。
当日投句された句の中から評判の良かった句を一人一句ご紹介します。(井上知登記)
冷えを待つ薬缶に香る麦茶かな 尾上 俊平
地軸よりそれて鬼百合咲き競う 菅 治
老の身に効用知りて麦茶飲み 高田 信義
梅雨しげく皆黙り込むバス旅行 津田 良夫
両眼を癒やす紫陽花手術終へ 虎井 勝義
喫茶店古き機械のかき氷 西岡 重毅
打水の子ら声高にとびはねて 二反田昌雄
野良仕事冷やし麦茶に鍬軽く 水川 秀樹
握り飯麦茶を添えて草莚 森 茂生
烏賊釣火海の余白を埋めつくし 横田 侃
飛行雲行く手を阻む雲の峰 吉田 慶三
吹きこぼる麥茶の香り朝の風 石澤 貞男
おふくろの炒りし麦茶のあまさかな 井上 知登