九月句会は、9月9日、噂のスーパームーンが見られる午後の開催でした。おひとりが欠席されたのみの14名の出席で盛会裡におわりました。
兼題は、西岡重毅さん出題の「案山子」(かがし)。かがしは、稲作の歴史とともにあり農神とも言われ、古書には1600年初頭には現れるほど。読み方は、鳥獣の肉を焼き、その臭いを嗅(か)がしたことに語源があるらしい。最近は童謡にあるようなかがしは影をひそめ、いろいろなキャラクターのかがしが田圃に現れ、観光化もされているようです。
投句された案山子の句を主に各人一句紹介します。
田も暮れて帰るとこなし案山子かな 高田 信義
ぽつねんと遠き囃しの案山子かな 津田 良夫
瑞穂の国案山子の守れど米離れ 虎井 勝義
ばつ悪し案山子に会釈棚田道 西岡 重毅
入日見て案山子一日の勤め終え 二反田昌雄
過疎の村草むす畑に古案山子 水川 重樹
案山子殿斜交ひに立ち睨(ね)めるかな 森 茂生
白ヘルのかかしの警固貸農園 横田 侃
山畑に小鳥も憩う捨案山子 吉田 慶三
瞑想の案山子を覚ます烏かな 渡辺 恬
役終へて雀と遊ぶ案山子かな 石澤 貞男
蚊虻除けネットを冠る案山子かな 井上 知登
金髪の案山子りりしくコンテスト 大屋真理子
作り手の思ひも知らず案山子かな 尾上 俊平
雨の音聞けば眠れぬ秋の夜 菅 治