2月の句会
季節的に2月は特徴がなく、俳句が作りづらい時期と言われていますが、今月も17名が参加し投句も含め83句が出句され賑やかな句会になりました。
激戦の中、徳弘多史さんの下記句が見事先生の特選を獲得しました。その他入選句には浅野浩利さんや佐道正さんらの、新しい句会会員の句が入り、「どうしん俳句会」も新しい流れを感じさせる句会となりました。以下今月の入選句と会員の作品です。
今月の入選句
大いなる命の地球冬銀河 徳弘 多史
幼な子のボールふわりと春に入る 佐道 正
読み残す頁尾を引く春の風邪 小川 亶
煮凝りに夕餉の話残りをり 中島 篤三
荒行や耳を貸したる枝垂れ梅 坂井 正巳
風呂吹きの湯気纏ひたる厚さかな 下山 道郎
沈丁花墓地にひっそり千の風 浅野 浩利
今月の会員句
侘寂の湖北の宿の鴨三昧 蓮尾 碩才
寒の月刃物めきつつ山の端に 桑島 久乃
うぐいすの声の集まる障子窓 野崎 幾代
月の襞揺れる水面の春隣 井上 知登
生きて行く命を繋ぐ初音かな 八尋 晃
<会員紹介>
今月は桑島久乃さんです。
桑島久乃さんは貞明さんの奥様で、当句会の3人いる女性会員のお一人です。
当句会の入会は比較的新しいのですが句歴は長く、毎月の句会で披露される句は、伝統的な俳句手法に新しい様式を取り入れ、常に先生の入選、特選の対象になっています。
以下代表句です。
はがき絵の兎跳ねをり初硯
俎に水走らせて初かまど
暇そうな駅員ひとり麦の秋
節くれの指ゆっくりと柏餅
朝顔の似合ふ町並飛騨格子
たましいの失せし鮟鱇吹かれをり
蓮尾碩才 記