4月の句会
どうしん句会も人数が増え投句も多いため、今月から出句の数を1人3句の句会となりました。今月の兼題は「作」と季語の「木瓜の花」です。
木瓜はバラ科で春には赤、白やまだら模様の梅に似た花を咲かせ、春の代表的な季語です。先生からは、梅や桜と違い木瓜を俳句にするときは、木瓜そのものをよく観察し作るようにと指導がありました。入選句の中に浅野浩利さん、佐道正さんの句が複数入り、どうしん句会も世代交代の兆しです。
今月の入選句
木瓜の花雨に明るき海鼠壁 桑島 貞明
無造作に足なげだして諸葛菜 花房 俊明
別れ霜作り笑いの日となりぬ 佐道 正
ぼけの花ためつすがめつ眺めけり 坂井 正巳
まっすぐな心貫き木瓜の花 浅野 浩利
今月の会員句
近衛なる祖父の墓碑にぞ赤い木瓜 土方 元夫
金子みすゞ語りかけをり子雀に 中島 篤三
語り部は枝垂桜と地蔵様 小川 亶
咲き満ちて土手盛り上げる桜草 沼田 重子
名園の椿一輪音と落つ 大崎 太郎
青麦のよき作柄や弾む風 徳弘 多史
<会員紹介>
今月は八尋晃さんです。
八尋晃さんの句会歴は比較的新しく、平成21年8月の句会から参加されています。最初は俳句の雰囲気に戸惑っていたようですが、南雲愁子先生の丁寧な指導で、すぐ作句の要領を掴み、最近の句会では特選・入選を取ることも多くなり、毎月の句会では「晃流」の世界観による俳句を披露されています。以下代表句です
玄海の波を鎮むる春の鐘
原発はパンドラの箱春嵐
裸木が抱くから空が高くなる
秘密基地朝顔の花一つ咲く
次の世に連れて行き度い雛飾る
歓声が満開の花持ち揚げる
凩が空の広さを取り戻す
(蓮尾 碩才 記)