6月の句会
今月の句会では病気療養中の中島篤三会員から「中七の字余り」についての問題提起があり、先生から意見をうかがいました。先生は「中七字余りは、全体的にリズム感がある場合は余り気にしなくてもよいが、できれば工夫して五七五の正調になるように、心がけられたらどうでしょうか」と意見がありました。
今月の季題「心太(ところてん)」は夏の季語ですが、暑さをしのぐ術が現代ほど無かった時代、庶民の貴重な暑気払いの方法で、俳句にも多く詠まれています。また「石花菜」とも表現されます。
今月の入選句
飛び跳ねて草の色より青蛙 桑島 貞明
飛び石に影映しけり白日傘 佐道 正
飛魚を投げては受ける海の技 坂井 正巳
椅子に尻半分掛けし心太 中島 篤三
蒲公英の絮の飛ぶ先番外地 大崎 太郎
心太白き卓布に風生まれ 桑島 久乃
若鮎や化粧塩して跳ねてをり 野崎 幾代
心太啜れば覗く碧い空 西 聰太朗
今月の入選句
今月の会員句
耳元で蚊が身のほどの風飛ばす 鹿児島俊之
十薬の花瓶小さき里の宿 浅野 浩利
吐く息の海女の磯笛ところてん 花房 俊明
飛び蹴れりなでしこジャパン燃ゆる夏 土方 元夫
心太文化の染みる暖簾揺れ 小川 亶
胸のつかえするりと通す心太 沼田 重子
注:今月の会員紹介は休欄です