今月の一句(8月どうしん句会)

8月の句会

猛暑日が続く今年の八月ですが、南雲先生もお元気で句会に出席いただきました。披講が終わり先生の講評冒頭、暑い時期は俳句も良い作品が作りにくい、今日も皆さんの句は何処か手を抜いている感じがすると、厳しい指摘がありました。題は「出」、兼題の季語は「西瓜」で、投句を含め65句の中での句会でした。

以下今月の入選句

斑猫も浅間も遠く雲の中       蓮尾 碩才

地下鉄の光りの出口法師蟬    大崎 太郎

来し方を尋ねて叩く西瓜かな   下山 道郎

届きたる平均寿命合歓の花    井上 知登

凌霄は火花となって溢れ出る   鹿児島俊之

少年の目には炎の西瓜割     浅野 浩利

釣り人の動かぬ背ナや大西日    石沢 貞男

今月の会員句

フィヨルドは峰より落つる滝百丈 西 聰太郎

風鈴の一度鳴りて静まれり    佐道  正

赤紙の来ない幸せ終戦忌     花房 俊明

江戸の智恵上水木管川開     土方 元夫

新しき風鈴結ひし釘の錆       中島 篤三

拳骨は空にも出でて西瓜割る   小川  亶

会員紹介

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今月は西聰太郎さんです

聰太郎さんは25年2月に入会されましたが、それ以前から母校の地域の句会に参加されていたとお聞きしています。聰太郎さんの植物の知識は相当のもので、草木の名前は勿論特性まで良くご存じで、吟行のときなど句会会員が教えを受けています。句柄は得意の植物だけでなく、ユニークな調子の句を毎月披露しています。以下代表句です。

心太啜れば覗く碧い空

知らぬ歌ばかりとなりぬ年の暮れ

打水に風よみがえる昼下がり

曼珠沙華遊行柳に色を添え

あやめ咲く室の八島や力石

桜咲くここまで津波忘れじと

蓮尾 碩才 記

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