二月は少人数の句会でしたが、合評には忌憚のない感想を発表したり、選に漏れた句も批評したり、場が盛り上がりました。
今月の季題は、虎井さん出題の「春隣」でした。そのほか、冬の季語で、「くしゃみ」、「ラガー」(俳句では、ラグビー選手のこと)、「虎落笛(もがりぶえ)」は風の強い冬の日、激しい風が家や電線などに当ってヒューヒューと笛のような音をたてること、「浮寝鳥」は浮いたまま眠る水鳥などがありました。
選句者の多かった句を中心に、ひとり一句、ご披露いたします。
ご感想をお聞かせください(井上記)
尾上 俊平 ふくよかな孫の笑みにも春隣
勝浦かよ子 梅の香や指したる紅に似てほのか
菅 治 小さき声友患いて冬の雨
高田 信義 春隣コーラス流れ和み聞く
津田 良夫 山脈を越へ来る風や春隣
虎井 勝義 語り部の訛り佳境に春隣
二反田昌雄 読経やみ境内はただ虎落笛
藤井 桂子 車窓から水面煌めき浮寝鳥
水川 秀樹 厠入る光も風も春隣
森 茂生 佇みて五感澄ませば春隣
横田 侃 湯気まとふラガースクラム動かざる
吉田 慶三 街を行く晴れ着姿や春隣
渡辺 恬 春隣手水の水も弛むかな
石澤 貞男 日当りの色の和らぎ春隣
井上 知登 初場所やインフル休暇次々と