夏たけなわ、お盆前でしたが、出席者は意外に多く16名で、盛り上がった句会でした。
兼題は、渡辺さん出題の「夕焼」でした。秋の季語かと思いましたが、晩夏の季語で、「朝焼けと同様に日が西に沈む間際に起こる太陽光の散乱現象で、特に旱の続く日の夕暮れ、西の空が真っ赤になり黄金色を帯びてゆく景色は雄大」(角川歳時記)です。
選句者が特選に選んだ俳句を中心に、ひとり一句、ご披露いたします。
ご感想をお聞かせください(井上記)
虎井 勝義 緑陰や匂ふガリ版宿題帳
西岡 重毅 挨拶は「暑い」の他になかりけり
二反田昌雄 知己の墓久し供花なく蝉時雨
深田 浩士 夕立や半歩隔たり陽の光
藤井 桂子 日盛の水槽ゆらり藻の動く
水川 秀樹 一輪の朝顔愛でる老いが恋
森 茂生 ほうたるやコンダクターはいずこかな
横田 侃 猫の胴長々と伸び夏座敷
吉田 慶三 夕焼や母国につづく海の道
渡辺 恬 蝉の殻子猫じゃけんに足蹴にし
石澤 貞男 手花火の短き命しぼみゆく
大屋真理子 夕焼の金色染めしさとうきび
尾上 俊平 広場の児夕焼け気付き急ぎ足
勝浦かよ子 雨音のぽつりと硬き夜の秋
菅 治 夕焼の名残りの色に染まるダム
高田 信義 夕焼けて飛行機雲の流れゆく
津田 良夫 夕焼けて小焼けて明日は晴れるらし