第67回定例句会は5月9日。 雨交じりの一日でしたが出席者15名で兼題は
二反田さん出題の「更衣」(衣替え)です。
5月は俳句の季題では夏になります。 日に日に緑が濃くなり、日差しの中に微かに
夏を感じる季節でもあります。 着衣としての衣替えと日常生活の転換時期としての
衣替えを句の中に感じていただければ幸いです。
そして、石澤さんが南雲先生への追悼句を詠まれましたのでご披露いたします。
追悼句
黒南風や巨星消えゆく雲の果て 石澤貞男
高得点句(2句)
爪ほどの若竹なれど天を指す 西岡重毅
ふらここや足裏は空を押しやりて 横田 侃
㊟ 「ふらここ」=ぶらんこ
会員句(13句)
お喋りをぴたりと止めし初音かな 石澤貞男
今日の風色は何色更衣 井上知登
床の間に端午の尚武鎮座し 尾上俊平
雑念を絶つがごとしの瀑布かな 菅 治
傘寿きて身も心とも更衣 高田信義
含羞のいろ滲ませて更衣 津田良夫
目から鱗よ術後良し更衣 虎井勝義
お気に入り見納めの日や更衣 二反田昌雄
薫風も校門めがけかけてゆく 藤井桂子
新緑にひたる贅沢いく年か 水川秀樹
夏帽子汽車の窓からグッドバイ 森 茂生
鉄線花一輪残してちりぬるを 渡邊 恬
やうやうと呑み込む風や鯉幟 勝浦かよ子
次回の句会は6月13日、兼題は「梅雨」です。
梅雨と聞くと鬱陶しいと思ってしまいますが、俳句ではそれも日本の情緒として
詠まれます。 皆様の感性に響く「梅雨」と出会えますように。 (勝浦 記)