8月の句会
今月の季題は「百日紅」でした。
今月から新しい指導講師をお迎えしました。
後藤章先生で、年齢は65歳と若いながら句歴は長く、俳句結社「自鳴鐘」の主要同人で現代俳句協会の役員としても活躍されている俳人です。
後藤先生の指導方針は、対象物を徹底的に見つめ、その本質を俳句の中に落とし込む写生俳句に主眼を置いています。今月の特選句もその線に沿ったものとなり今後が楽しみです。
写真は7月の最高得点句「雲海や下界の些事を閉じ込めし」の中川昌明さんです。
以下、特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
沿線の玉蜀黍の花戦ぐ 鹿児島俊之
土用芽や錆色もなし肥後の守 中島 篤三
落ち蝉の掃かれながらも鳴きにけり 桑島 久乃
入選句
百日紅幼木なりの花飾る 八尋 晃
花びらの縮れてそよぐ百日紅 西 聰太郎
鳥居抜け蝉時雨背に参拝す 中川 昌明
今月の会員句
終戦日遠くて近き無聊感 花房 俊明
真空管のラジオ八月十五日 土方 元夫
少子化の公園に添ふサルスベリ 小川 亶
ぽつねんと人待つベンチ百日紅 桑島 貞明
短夜や鴉の会話意味ありげ 大崎 太郎
百日紅道標とし友の家 徳弘 多史
筆文字の払いも決り今朝の秋 蓮尾 碩才
端居してただただ眺む丸い背な 野崎 幾代
耳鳴りか渾然一体蝉しぐれ 坂井 正巳
娘らの尽きぬお喋り百日紅 下山 道郎
夜の秋湖畔に揺るる舟溜 浅野 浩利
若僧の読経の凜と百日紅 佐道 正
蓮尾碩才 記