今月の季題は「露」でした。
今月の特選第1席の句は、中島篤三さんの「二百十日農家の無人販売所」が選ばれました。
後藤先生からは、「今月の兼題・露はなかなか難しい季語であるが、皆さんそれぞれの思いも入れて上手に作っていたと思います。ただ助詞の使い方で問題のあるものもあり、惜しい句もいくつかありました。」との講評をいただきました。
写真は8月の特選第一席句「沿線の玉蜀黍の花戦ぐ」の鹿児島俊之さんです。
以下、特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
二百十日農家の無人販売所 中島 篤三
菜園の小菊揃えて仏花とす 浅野 浩利
小さき手に右往左往の芋の露 桑島 久乃
入選句
朝露やキャベツ畑の出荷前 小川 亶
露の玉風に吹かれて歪みけり 桑島 貞明
白露過ぎうすももいろに朝の雲 徳弘 多史
今月の会員句
露けしや小さき命の庭の墓 花房 俊明
山車行列手締の合図還御せり 土方 元夫
夜を深めとぎれとぎれの鉦叩 大崎 太郎
果てるまで丸や楕円に芋の露 蓮尾 碩才
開け放つ窓に飛び込む虫時雨 野崎 幾代
一人立つ蚕糸の森は露しとど 八尋 晃
雑草の露蹴散らしてラガーマン 坂井 正巳
朝まだき草の装ふ露の珠 下山 道郎
蓮の葉を転がる露か水晶玉 西 聰太郎
朝露やカンディンスキーの「空の青」 鹿児島俊之
太陽光パネルにすいと赤蜻蛉 佐道 正
たわむれに露分け進むむぐらかな 中川 昌明
蓮尾碩才記