10月10日第71回定例句会は、うめしん句会の念願でありました講師をお迎えする運びとなり、記念すべき第一回の句会となりました。
講師の方は桑田和子氏 豊中在住、現代俳句協会関西理事、俳句誌「青玄」の後続誌「暁」の創刊者であり、編集長を務めておられます。うめしん句会にとりましては、この上のない身に余る講師の方をお迎えすることができ、ご尽力いただきましたどうしん句会の方々関係各位に改めましてお礼申しあげます。ありがとうございました。
句会当日参加者15名、投句2名、兼題は横田侃さん出題の「木の実」です。
参加者それぞれが緊張の面持ちで、桑田先生のお話に耳を傾け、また先生のお人柄に触れる和やかな、記念すべき句会となりました。
今月の高得点句
木の実降る太古の音もそのままに 横田 侃
車窓へと稲架押し寄せる加賀平野 虎井勝義
日の暮れの風の寝床や薄原 勝浦かよ子
今月の会員句
見上ぐれば木の実たわわの老樹かな 石澤貞男
秋の夜ポートタワーもピンク色 井上知登
木の実落ち静寂破る山の音 尾上俊平
観月の雅楽の調べ水面揺れ 菅 治
どんぐりの降る枝先にリスの影 隅田 清
匂いくる落ち銀杏の御堂筋 高田信義
見下ろせば秋の実りに染まる畑 津田良夫
どんぐりの転んで転ぶ鬼ごっこ 西岡重毅
爺一人莨くゆらせ見入る稲架 二反田昌雄
青空にひょっこり零余子列なりて 藤井桂子
木の実落つ振り向き竦む獣道 水川秀樹
芋の露羞ひながら珠となる 森 茂生
黄落や杖を頼りの散歩道 吉田慶三
座布団を二枚並べて居待月 渡辺 恬
次回は11月14日、兼題は「冬紅葉」です。11月は紅葉が見事な時期ですが俳句ではすでに初冬となります。ゆく秋を惜しみながら冬の到来にも心を寄せて「冬紅葉」を詠みたいと思います。
(勝浦かよ子 記)