今月の特選第1席の句は、中島篤三さんの「レジ袋透け大根の青い首」でした。
兼題の「人日」はあまり馴染のない季語で、言い換えれば正月の「七日」のことです。五節句の一つで、昔の中国では正月一日を「鶏」二日を「犬」と順に七日が「人」の日としたところから来ています。
また、写真は12月の特選第一席句「外灯の絞る世界に見るみぞれ」の小川 亶さんです。
以下、特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
レジ袋透け大根の青い首 中島 篤三(特選第1席)
食卓の乾きたる音寒卵 大崎 太郎(特選第2席)
人日の椀にワカメのへばりつき 坂井 正巳(特選第3席)
入選句
人日や隣家に止まる救急車 花房 俊明
人日や飾りの餅にうす埃 蓮尾 碩才
蠟梅や傷つきやすき指の先 桑島 久乃
人垣に肩を押し込む年の市 鹿兒島俊之
消防車遠くに聞いて日向ぼこ 佐道 正
会員の句
平成の名残りのページ早や人日 土方 元夫
寒紅の背中やはらかき車椅子 小川 亶
蠟梅の陽に溶けさふな香を放つ 桑島 貞明
初釜や日差をのせてあるじの掌 徳弘 多史
人日や癖になりつつ朝寝坊 野崎 幾代
松飾りとって玄関さびしがり 八尋 晃
人日や爪切る音のやさしかり 下山 道郎
水仙の香り溢れる岬道 西 聰太郎
単線の白き手套に冬茜 浅野 浩利
年明くや高齢社会の一里塚 中川 昌明
蓮尾碩才 記