今月の兼題は「梅雨」でした。今年も北海道を除く日本全国で梅雨入りとなりました。雨は作物を育て、木々を豊かにするために大切の天の恵みですが、梅雨はどうしても嫌われ早い梅雨明けをみんな期待することになります。「梅雨」は古くから季語になっており、それだけにいかにして新しい感覚を出すかがポイントです。
また写真は5月の特選第一席句土方元夫さんの「道の駅筍並べおまけ糠」です。
以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
梅雨晴間潦には草の舟 蓮尾碩才
つぶつぶのぎしぎしの花犇きて 鹿兒島俊之
葉に隠れ枝にも隠れ青き梅 桑島久乃
入選句
瓶搗きの米の話や藺座布団 中島篤三
青梅雨に傘くるくると下校の子 小川亶
夏場所や新十両の幼な顔 浅野浩利
会員の句
暑苦し満員御礼相撲文字 花房俊明
多摩川の魚影の飛沫梅雨に入る 土方元夫
をちこちに廃業の報梅雨の街 桑島貞明
滴るる音のひろごる走り梅雨 大崎太郎
露天の湯うつるぼうたん掬ひけり 徳弘多史
屋根裏を走る音あり梅雨に入る 野崎幾代
大輪の牡丹咲きたるうつむきて 坂井正巳
棚の本並べ替えたり梅雨きざす 下山道郎
ずっしりと泰山木の白き花 西聰太郎
梅雨の闇座敷わらしの座り居り 佐道正
(蓮尾碩才 記)