8月7日第81回定例句会 今月の兼題は勝浦かよ子出題の「立秋」です。
まだまだ秋の実感はありませんが、句会当日はその立秋に当たり、桑田講師より「立秋」の捉え方と、同じ時期の季語である「終戦記念日」についてもその成り立ちや例句を教示いただき、外の暑さを一掃しての句会となりました。
今月の写真は「風蘭」です。太い数本の根で樹皮や岩場に着生し、白い可憐な花は夜になると芳香を放ち蛾などを誘います。なんとも夏の夜のミステリーが似合いそうだと思われませんか。 この「風蘭」は横田侃さんの隠岐のお庭に咲いている写真をいただきました。
今月の特選句
涼新た書を繰る音の戻りたる 横田 侃
焙煎のコーヒー香る今朝の秋 菅 治
お隣と目礼のみや水を打つ 西岡 重毅
今月の一句
ひと降りのあとの日暮や秋立ちぬ 勝浦 かよ子
窓と云う窓開け放つ今朝の秋 石澤 貞男
炎昼のみじろぎもせず音もせず 大屋 真理子
秋暑し庭の草木元気なし 隅田 清
天気図の秋の気配を探しおり 高田 信義
濁りなき大気のにほひ今朝の秋 津田 良夫
今朝秋の撫でるが如き風頬に 虎井 勝義
山滴る祠の前の杖二本 二反田 昌雄
立秋やビルに映りし雲の影 藤井 桂子
打水の所作に艶あり京の夕 森 茂生
桐一葉散りて気ままな風に付く 吉田 慶三
次回は9月11日、兼題は「秋高し」です。 残暑が続く毎日ですが、『天高く馬肥ゆる秋』にふさわしい秋の晴れわたる空の大気を詠みたいと思います。
次回もお付き合いください。
(勝浦かよ子 記)