今月の兼題は「残暑」でした。

今年の残暑は厳しいものがありましたが、さすがにこの頃はしのぎやすくなり、残暑をふり返り皆さん良い句が出来たようです。また今月から葛巻正樹さんが句友に加わりました。

写真は８月の特選句「墓洗う少し冷たくなった水」の佐道正さんです。

以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。

 

今月の特選句

秋暑し眺めしままの料理本　　　　　野崎幾代

空っぽの金魚水槽秋暑し　　　　　　花房俊明

糠床を軽く叩ひて秋の茄子　　　　　小川亶

 

入選句

カフェテラス九月カラヤン広場かな　中島篤三

秋暑し連なる尾灯動かざる　　　　　徳弘多史

長くなりし日陰選り行く秋暑し　　　　下山道郎

秋暑し足下に濃き己が影　　　　　　鹿兒島俊之

女郎花朝練の声遠く聞く　　　　　　　佐道正

 

会員の句

バス停の間引き張り紙秋暑し　　　　土方元夫

流星や古代美人の首飾り　　　　　　桑島貞明

窓開けて白といふ色蕎麦の花　　　　大崎太郎

耐えがたき残暑ヤキモチけち偽善　　蓮尾碩才

氷詰めの箱から二匹初さんま　　　　桑島久乃

蚊の本分忘るるほどの酷暑かな　　　坂井正巳

秋草の気配りもあり待合室　　　　　　浅野浩利

夕野分荒川土手の草なびき　　　　　中川昌明

牛の尻高くこえゆく雲の峰　　　　　　葛巻正樹

(蓮尾碩才　記)