11月13日第84回定例句会 今月の兼題は隅田清さん出題の「焼藷・焼芋」で、焼芋と聞くだけで心が和む冬の季語です。 桑田講師より焼藷やその関連季語についての説明と例句を紹介いただき、次月の兼題(粕汁)についても教示いただきました。 俳句は読み手に意味や感動が伝わることが第一であり、そのためにはわかりやすい言葉選びが大事であると指導いただきました。
今月の写真は神戸市三身山・太山寺の「木守柿」です。収穫のあとに少しだけ残しておく柿の実のことで翌年の実りや小鳥のためとも言われ、冬の季語でもあります。 穏やかに秋から冬への移りを実感いたします。
今月の特選句
言い分けの焼芋提げて終電車 石澤 貞男
看板に「天然」とあり鯛焼屋 勝浦 かよ子
焼き芋のなじみの笛のひびきかな 深田 浩士
今月の一句
焼芋の屋台に人の列ありて 大屋真理子
秋の空飛天の如く舞う鳶 尾上俊平
釣り人の並ぶ背揺れる冬日和 菅 治
小春日和境内色付く興福寺 隅田 清
焼きいもを二つに割りて五感研ぐ 高田 信義
焼芋やレンジに焼かれ憮然たり 津田 良夫
ほっこりは焼芋とちゃうふかし芋 虎井 勝義
甘藷を掘る孫の笑顔にほっこりす 西岡 重毅
雛僧の箒持つ手や小六月 二反田 昌雄
閑かなり朱印求めて落葉踏む 藤井 桂子
焼芋屋の匂ひダミ声古新聞 森 茂生
耳を掻く猫の目細し帰り花 横田 侃
望郷の平家の里や山眠る 吉田 慶三
次回は12月11日、兼題は「粕汁」です。 いよいよ本格的な冬の到来となり、暖かい湯気に幸せを感じる時期となります。 鰤や鮭などご家庭の粕汁自慢も出てきそうです。 ご一緒に温まりましょう。
(勝浦かよ子 記)