2月12日 第87回定例句会 寒暖の差が激しい毎日ですが、今月の兼題は横田侃さん出題の「下萌」です。 下萌(したもえ)は早春に大地から草の芽が萌え出ることで、春への想いを詠み込んだ句会となりました。
今月より句の掲載を桑田先生選句の特選句、入選句、今月の1句として皆様にご覧いただく形に変更いたしました。 会員の一層の健闘を応援いただければ幸いです。
今月の写真は信州白馬の雪解けの風景です。 どこからか「早春賦」が聞こえてくるようです。
<今月の特選句>
1席 下萌ゆる淡路震災記念館 勝浦 かよ子
2席 荒鋤きの土隆々と草青む 横田 侃
3席 下萌えや新住職の嫁の声 二反田 昌雄
<今月の入選句>
寝転べば背にやさしや土手青む 石澤 貞夫
早春の肌ひきしまる街路風 津田 良夫
雪晴や飛び出す犬の目は澄みて 西岡 重毅
手入れせぬ庭も下萌え動き出す 森 茂生
揚げ舟に舫う船にも春の雪 横田 侃
老木に唯一輪の梅の花 吉田 慶三
杖の手にそっと寄り添う春の風 吉田 慶三
<今月の1句>
仰ぎ見る空の青さよ梅の花 大屋 真理子
自然界記録づくめの寒さかな 尾上 俊平
学び舎は宮跡隣草萌る 虎井 勝義
下萌えに妻も喜ぶ庭いじり 深田 浩士
下萌に鼻突っ込んでワンワンワン 藤井 桂子
次回は3月12日、兼題は「風光る」です。 春風の明るくまばゆい様を表現した季語であり、希望の息吹を感じることができます。
さあ、ご一緒に春の真中に飛び出してみましょう
(勝浦かよ子 記)