5月どうしん句会
今月の兼題は「風薫る」でした。
「風薫る」は初夏の青葉・若葉をふきわたる風を言う気持ちの良い季語であるが、音読みの「薫風」とするとまた趣が違ってくる。
写真は4月特選第一席句「電柱に野火止とあり春の水」の中島篤三さんです。
以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
履きしまま洗ふ長靴青嵐 桑島久乃
傘雨の忌もめんとうふにきぬとうふ 中島篤三
八十八夜グリコ看板点りけり 中島篤三
入選句
わらび摘む小鉢増えたる夕餉かな 土方元夫
能楽の和する声音や風薫る 徳弘多史
令日や庭の草木に春の雨 野崎幾代
薫風やセイとひと声女車夫 佐道正
水光る春田に隣り雑草地 中川昌明
会員の句
玫瑰の遠くに咲きて祝いけり 花房俊明
改元の文字大空へ吹流し 小川亶
人生百年未だ八十新茶汲む 桑島貞明
海色の空をのみ込む鯉幟 大崎太郎
薫風に秒針揺らす花時計 蓮尾碩才
平成の時代ここまで四月尽 坂井正巳
庭若葉伸びすぎし枝詫びて斬る 下山道郎
追いかける声に弾けてしゃぼん玉 鹿兒島俊之
麦の秋シャツなびかせてペダル漕ぐ 浅野浩利
新緑や見えて隠るる乳母車 葛巻正樹
(蓮尾碩才 記)