6月句会の一句(うめしん句会)
6月11日第91回定例句会 関西も梅雨入りですが、当日は五月晴れも見られる爽やかな句会となりました。
今月の兼題は二反田昌雄さん出題の「柿の花」です。 柿の花は若葉に隠れて開花し、落ちた花の散らばりによりその存在に気づくというほどのひそやかな花です。 その季語をどのような形で句に表現出来たかを今月の写真の「柿の花」と共に鑑賞下さい。
〈今月の特選句〉
1席 人知れず散りゆく恋や柿の花 石澤 貞夫
2席 風光る嫁つぐ娘の晴れ姿 隅田 清
3席 柿の花落ちてゆふべに雨誘ふ 勝浦 かよ子
〈今月の入選句〉
瀬戸内の古い家並に柿の花 大屋 真理子
ひと降りののちの石垣柿の花 勝浦 かよ子
梅雨に入る雨音つづくただ続く 津田 良夫
うす暗き部屋の雨音つゆに入る 津田 良夫
憚らず香り放つか栗の花 二反田 昌雄
空っぽの家の表札柿の花 横田 侃
射撃部の立て看板や青嵐 横田 侃
〈今月の一句〉
鮎の影岩打つ水の冷たさよ 菅 治
酒蔵の庭のあじさいこぬか雨 高田 信義
通ひ道散つてしまひし柿の花 虎井 勝義
長梅雨やシャッター街に目立つ錆 西岡 重毅
濃紫陽花一雨ごとに色深む 藤井 桂子
幼子の一拍遅れの盆踊 森 茂生
散りゆくをさだめと知るや柿の花 吉田 慶三
次回は7月9日兼題は「団扇・扇子」です。 梅雨が明けると本格的な夏の到来となります。 日本文化の象徴のような「団扇・扇子」で今年の夏は粋に夜店でも冷やかしに出掛けてみませんか。
( 勝浦かよ子 記 )