1月どうしん句会
今月の兼題は「雑煮」でした。
雑煮は究極の郷土料理です。味付けは醤油、白味噌、赤味噌、餅は角、丸、餡入りとそれぞれの故郷を反映した面白い句が多く出ました。
写真は12月の特選第1席句「気忙しがはかどりゆくや十二月」の坂井正巳さんです。
以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。
今月の特選句
初日の出ブルーシートを曝しけり 中島篤三
パスワード書き写したり初手帳 佐道正
玄関ベル真っ先立ちし春着の子 葛巻正樹
入選句
娘より千両もらい年を越す 花房俊明
だしとりの弾む会話の雑煮膳 野崎幾代
餅搗のつき手かえし手父と母 鹿兒島俊之
山あいに軽トラ走る冬日和 宇都宮隆文
会員の句
金網に膨れ拗ねたる豆の餅 土方元夫
笑む声で粥のおかわり春隣り 小川亶
飲み友の思はぬ訃報虎落笛 桑島貞明
丸餅にこだわり通す雑煮かな 大崎太郎
鏡餅かたき柚柑の姿良き 徳弘多史
仏壇の雑煮に朝日いぐさの香 蓮尾碩才
木枯らしや螺旋階段素通りす 桑島久乃
餅裂けて餡はみ出たる雑煮かな 坂井正巳
雑煮餅三つは多し義母の椀 浅野浩利
雑煮餅包丁で薄く切りにけり 中川昌明
(蓮尾碩才 記)