5月の句会
今月のお題は「地」と席題の「鯉幟」で、当季雑詠を含む4句が出句されました。
爽やかな五月のこの時期は俳句の材料も多く、先生の句、関西句会からの投句を含め76句の出句となり、出席者も16名と病気療養中の中島篤三さんを除き全員が参加の賑やかな句会でした。入選句は下記の通りです。
鯉幟川幅埋める番外地 蓮尾 碩才
筍や秘める力の無限大 大崎 太郎
のっけから調子外れの田植歌 桑島 貞明
万緑を呑み込む犬の大欠伸 沼田 重子
今生を風に預けし鯉幟 野崎 幾代
落椿塀の内外主張する 八尋 晃
たたまれて蔵の内へと鯉のぼり 坂井 正巳
<会員の紹介>
今月は土方元夫さんです。
当句会の中では二番目に古い会員で、合同句集「どうしん」にも第一集から参加されています。句柄は自由奔放で、時事俳句を含む幅広い分野の俳句を披露し、こんなことまで句材になるかと驚かせることもあります。
以下代表句です。
釣り鐘の物語りせよ藤の花
形見分け袷せの裏地洗い張り
衣ぎぬの色を愁えし古き雛
返り花外人墓地は海を向く
遠い日の青春の門雲の峰