五月の一句(うめしん句会)
5月句会は、御堂筋の銀杏並木が新緑に映える季節となり、その様子が窓越しに見える部屋で行いました。旅行、体調不良などで4名が欠席し、10名の出席でした。
兼題は、高田信義さん出題の「海苔」でした。海苔は歳時記では採集時季から
春の季語になっています。食料品として年中食される身近な食べ物ですが、
それが却って句づくりには難しかったようでした。
少人数ながら句評にはみなさん活発で、なかでも西岡さんの詠んだ
朝餉には岩海苔と粥妻の愛
の句には、さまざまな楽しい感想が話され、場は大いに盛り上がりました。
当日投句された52句の中から評判の良かった句を一人一句ご紹介いたします。
朝餉には海苔添へてある旅の宿 津田 良夫
海苔粗朶の揺れて漂う須磨の浦 菅 治
マンションの窓よりそっと鯉幟 森 茂生
岩海苔を掻きし小磯の今は浜 井上 知登
回復の兆し告げられ春一番 尾上 俊平
海苔焙る返す手のひら踊りめく 横田 侃
海苔を巻く手際のよさに見惚れけり 石澤 貞男
女想い焼海苔肴に一人酒 水川 秀樹
細切りの海苔残りたり口もとに 高田 信義
散る花に逢いたき友と花のもと 吉田 慶三
晩学のペンだこふくらむ紫木蓮 虎井 勝彦
つくりたて草餅口へ道の駅 西岡 重毅
焼海苔のなぜか気になるうらおもて 大屋 真理子