9月の句会
今月のお題は「寄」と兼題の「秋澄む」で、当季雑詠を含む4句が出句されました。
投句を含め82句となりいつもながらの激戦となりました。今月は出来が良いとの先生の講評の中から、特選第一席は先月に続き桑島久乃さんが取り、2連勝となりました。
以下入選6句と今月から4会員ずつ当月句を掲載します。
今月の入選句
秋嶺の押し寄せてゐる足湯かな 桑島久乃
山法師浅間山から人の声 蓮尾碩才
人生の秋澄むまでに老謳歌 大崎太郎
生きること寄り道もあり温め酒 野崎幾代
蜩が私の傘を借りに来る 八尋 晃
読点のなき母の文茄子の花 横田 侃
今月の会員句
空澄みて百億光年先の闇 花房俊明
秋風鈴吾はここぞと風の中 土方元夫
寂聴の法話のみやび衣被 中島篤三
秋の蚊に話題飛ばされ酒の席 小川 亶
今月は桑島貞明さんです。
桑島貞明さんは平成13年以降入会の所謂「どうしん俳句会」第二世代の代表者です。俳句に打ち込む情熱は人一倍強く、また作句数も多い為、毎月の句会では常に特選を争っている一人です。作風はオーソドックスで、自然の機微を織り込んだ句が多く見られます。
また句会では句会後の参加者の句の整理を担当され、句会運営に貢献されています。
以下代表句です
しぼり出す絵具の緑山笑ふ
さざ波に桜の色の加はりぬ
白牡丹頬に伝はる風の息
朝顔の風にさからふ遊び蔓
風を呼び風に分け入る赤とんぼ
早起きの膳に坐りし寒卵
大寒や歪みがちなる筆の先