10月句会は、10月14日。スーパー台風が近畿地方を直撃するとテレビが囃しており、交通マヒを心配しましたが、前日夜半には通り過ぎて事なきを得、13名の出席で開催することができました。
また、この秋は天変地異が日本列島を襲い、大きな被害が出ました。早速その事象が句会に投影されました。
台風の番してくれるNHK 津田 良夫
予知難し秋の御嶽灰覆う 水川 秀樹
沖を見る男の腕組み野分雲 横田 侃
御嶽山鎮まれかしと虫すだく 石澤 貞男
息ひそめ台風通過祈りつつ 大屋真理子
過ぎ去りし野分を語る朝迎え 菅 治
兼題は、横田侃さん出題の「秋刀魚」(さんま)。秋刀魚は、「江戸時代にはあまり人気がなかったのか、季語とされておらず、現代になってから俳句に多く詠まれるようになった。」(角川俳句大歳時記)
やはり、お江戸は何と言っても「鰹」だったのでしょうか。
投句された句の中から、各人一句紹介します。
赤き月宇宙を照らしほのかなり 津田 良夫
法名の彫り慈しむ秋彼岸 虎井 勝義
稲を刈り農夫ゆったり茶をすする 西岡 重毅
パパママも子も犬も付け草じらみ 二反田昌雄
波たちて引く手も軽し秋刀魚漁 水川 重樹
秋深しあの人かの人いま如何に 森 茂生
鯛鮃なんぼのもんや秋刀魚焼く 横田 侃
夕暮れを秋へと急ぐちぎれ雲 吉田 慶三
石段を見上げて息呑む紅葉かな 渡辺 恬
七輪の秋刀魚煽ぎし昭和かな 石澤 貞男
さんま漁いさり火青くLED 井上 知登
稲の穂にそっと手を添へ散歩道 大屋真理子
天空のみはてぬ秋にひと思う 尾上 俊平
庭に立つ母を想いて杜鵑草 菅 治
句作りに妻太刀魚焼きこれ感謝 高田 信義