1月の句会
新年明けましておめでとうございます。
初句会らしく病気療養中の中島篤三さん、鹿児島俊之さんと、投句会員の井上知登を除く全会員が揃い出句総数83句と賑やかな句会となりました。
南雲先生もお元気に参加され、先生から「手袋にしまひ忘れし嘘ひとつ」の秀句が披露されました。先生の講評として、正月の俳句はどうしても身構えた句になりがちでが、今日の作品は肩の力が抜けて、良い作品が多かったとのお褒めの言葉をいただきました。
今年最初の特選句は桑島貞明さんの下記句でしたが、先生からは「水仙の凛としてまた慎ましい花の感じが良く表現され」良い句との評をいただきました。(蓮尾 碩才記)
今月の入選句
夕暮れの風の棲みつく水仙花 桑島 貞明
立ち飲みの百円コーヒー寒雀 徳弘 多史
寒椿いつもの色を忘れてる 八尋 晃
指先に寒波寄せくる厨かな 野崎 幾代
語らひも笑顔も帰る三日かな 井上 知登
今月の会員句
温補てふ故事年越しの長湯かな 中島 篤三
裾長き富士に晴着の寒椿 小川 亶
梵鐘の余韻くぐもり寒茜 沼田 重子
寒の入り五感溶け合う水琴窟 大崎 太郎
<会員紹介>
今月は蓮尾碩才さんです。
蓮尾碩才さんの俳句への取り組みは、情熱に満ち溢れており、大変研究熱心で話をしていても芯の強さを感じ、大いに勉強になる事が沢山あります。
その作風は新鮮でユニークなものが多く、どれも潔く未来志向に富んでいて、詠み手にハッとさせる鋭さが兼ね備わっています。従って毎月の句会でも絶えず先生の入選・特選句の候補に挙がっています。
一方、句会の世話役として選句の清記をパソコンで入力し配布していただけるので、披講、合評がスムーズに行われます。また、司会も担当され活発でなごやかな進行役を果たされております。
以下代表句ご紹介します。 (桑島 貞明記)
強面を巧みに隠し晩夏光
梅雨空を抜け出す塔に太郎の目
不器用な物言いが良し蟇の声
蜩や五時開店の草書文字
本当の話がしたく温め酒
野分去り昨日の棘は抜けぬまま
暗闇に生者明々風の盆