湖畔の宿泊地で自然美に触れる悦び 関東甲信越  西川純一郎

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季節が変わる度に近郊の景勝地を巡る小旅行をしているが、中央線でいくつかのトンネルや駅を通過して甲府駅に近づくと、峰々に雪を戴いた山々を従え威容を誇る甲斐駒ケ岳が視野に入ってくる。その荘厳さを目にすると、「ああ、また山梨にやって来た」という実感が湧いてくる。小海線に乗り換え行くのは長野県南佐久郡小海町にあるキャンプ場で、キャンパー達と話すとリフレッシュされる私の癒しの場所である。
5月の連休頃は東京ではとっくに散ってしまった桜が満開となり、色とりどりの花々が彩り、高原は緑の空気も瑞々しく美味しい。真夏は八ヶ岳連峰からの天然の涼風、秋には畑が豊かに実り、紅葉の自然が織りなす造形美、冬は早朝の気温がマイナス15度前後まで下がることもあるが、粉雪が舞い薄っすら雪化粧するなど情緒豊かである。
小鳥のさえずり、梢が揺れる音に目覚め、森の木々の間に差し込む光は鮮明で帯をなしており爽快である。夜空は無数の星々が瞬き,さながらプラネタリウムのようで、大宇宙の創造主に想いを馳せる。
このキャンプには、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジアの外国人も参加しており、話は弾み、食事はバラエティー豊かで美味しい。パティシェが豪華なケーキを用意してくれる。プロ職人が作る何種類ものケーキの味は格別で、これもキャンプ参加の大きな魅力の一つだ。寒い冬の晩は具だくさんの鍋や、近くの湖で釣ったワカサギのから揚げ、郷土料理の味が愉しめる。

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(向かって右はパティシェの神村さん、中央は私、左は米国人の友人デイヴィッドさん)
会社時代にも時折訪れていたが、今に至ってもキャンプ場へ行く意欲、気力は衰えていない。一年を通じこうした親しい交流が続けられるのも、家族の理解と、訪れる度に温かく笑顔で迎えてくださる方々の協力と自分が健康でいるからで、天来の恵み、祝福を覚えて感謝している。

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