7月の句会
7月の句会は題が「生」、兼題が「夏燕」で、雑詠を含む3句の出句となりました。先生からも今日の俳句はレベルが高く、良い作品が多かったとお褒めの講評をいただきましたが、「テニオハ」に気を付けるもっと良い句になるとご注意を受けました。本日の特選第一席は入会間もない浅野浩利さんが取り、いよいよ新人群が急成長している感じです
以下今月の入選句
七十年戦後が来ない仏桑華 蓮尾 碩才
改札は海に放たれ夏つばめ 桑島 久乃
生きがいは泰山木の花の上 中島 篤三
指先のなすがまゝなる夏料理 小川 亶
凌霄の溢れきったる風の色 野崎 幾代
今月の会員句
時の鐘掠めて迅し夏つばめ 桑島 貞明
巣作りの一口づつの夏燕 大崎 太郎
改札の出入り自由の夏つばめ 徳弘 多史
父の日や赤紙の日の父想ふ 井上 知登
都会では絶滅危惧種夏燕 八尋 晃
子育てに家主見下ろす夏つばめ 坂井 正巳
会員紹介
今月は下山道郎さんです。
下山さんは24年1月に「目の合ふてついと去る猫漱石忌」の句を引っ提げて当どうしん俳句会に入会され、即先生の入選句になるなど句歴は長い実力者です。以後翌月には先生の特選第一席をとるなど、目覚ましい活躍をされています。
下山さんの句柄は伝統的な花鳥諷詠を基本とし、そのなかに斬新な材料を使いこなし、読み手を毎回うならせています。以下代表句です。
円空佛幼の笑みにおはす春
初つばめ馴染の街に空を斬る
人を皆無口にさせてマスク行く
鈴蘭の音なき音の漂へり
振り向けば誰の影もなし露時雨
団栗の脱げし帽子をたずねをり
少年の声変りして春一番
風呂吹きの湯気纏ひたる厚さかな
(蓮尾 碩才記)