8月の句会は16名の出席でした。欠席者も投句され全員の句が並びました。今月の兼題は二反田昌雄さん出題の「合歓の花」でした。
夏に咲く有り触れた花ですが、実際の花と名が一致しないのか花の図鑑を調べたり実物を見にいったり、先ず現物を知ることから句作りをした様子でした。角川大歳時記では、『マメ科の落葉小高木。六、七月頃紅色の小花を球状に集めて夕暮れに咲く。雄しべが多く網糸状で長く突出する。語義は小葉が夜間に閉合するので、この現象を眠ると考え「眠りの木」が「ねむの木」となった。合歓の字は葉の合するのを婚姻にたとえたもの。(伊藤伊那雄)』
出来栄えは如何でしょう。ご鑑賞ください。
一頻りないて静かにねむの花 吉田 慶三
朝風と戯むる蝉の透綾翅 渡辺 恬
挨拶の笑ひ声なる暑さかな 石澤 貞男
釣り舟の錨下ろして合歓の花 井上 知登
鎮魂の鐘鳴り渡る原爆忌 大屋真理子
極暑にも耐えて咲く花気を貰う 尾上 俊平
合歓の花父の記憶の肩車 勝浦かよ子
合歓の花そよぐ調べに舞い静 菅 治
ひまわりも強き午後の陽顔そむけ 高田 信義
青い目もツインタワーと盆踊り 竹之下晴美
立秋にふと空の色たしかめし 津田 良夫
故郷は遠く近きは蝉時雨 虎井 勝義
孫かえりまた一人なり扇風機 西岡 重毅
風抱いてゆめ有る夢を合歓の花 二反田昌雄
籠枕座敷にそよと風の吹く 藤井 桂子
風呂上がり妻を横目のビールかな 水川 秀樹
兼題に合歓の花とて図鑑みる 森 茂生
泣き笑ひして現れぬおこぜかな 横田 侃
さて、皆さん。あなたはどの句が気に入りましたか。ご感想を是非お聞かせください。
関西同友会 井上知登