■松本清張さんの旧居消滅と地域づくり
私は、昭和24年から父母と現住所の北九州市小倉北区≪黒住町≫に住むようになりましたが、松本清張さんは、復員後の昭和20年秋から8年間、家族の皆さんと一緒に≪黒住町≫にお住まいでした。8年間は清張さんの人生82年からすれば短い期間ですが、そのころに執筆活動を始め、デビュー作の「西郷札」で直木賞候補になり、「或る‶小倉日記″伝」で芥川賞を受賞しました。黒住町は「清張文学の原点」「清張文学発祥の地」と言っても過言ではありません。清張さんのふるさとです。その黒住町から、つい最近まであった清張旧居が消滅し、もともと文学碑などもなかったので、清張さんを語るものが地元から一切無くなってしまいました。旧居再興を希望する声もありますが、莫大な費用がかかるので今の時代に現実的でありません。
このままでは清張さんが地元から忘れられてしまうと考え、物より文学(作品)を取ることにし、ほとんどお金をかけない「リユ-ス(再利用)」方式で地域の特色である「清張さんのふるさとづくり」≪清張文庫づくり≫≪記念公園づくり(公園名称変更)≫を、住民の力で進めていくことにしました。(なお、同事業の詳細は紙面の都合で割愛させていただきますが、今年5月発行の会報52号に投稿いたしますので、是非ご覧くださいますようお願い申し上げます)
- 「しのぶ会」と「清張文庫づくり」
まず、昨年8月4日に「松本清張さんをしのぶ会」(清張忌)を開催をしました。開催案内をしたときから、清張文庫づくりのため清張作品の眠っている蔵書の献本を皆様にお願いしてまいりました。「しのぶ会」後も献本活動はずっと続けています。地域のコミュニティーの場として文庫(清張作品)を生かした地域づくりにも貢献できると考え、平成29年夏の第3回清張忌までに、規模1,000冊の著作を集めた「清張文庫」を開設する予定で、候補地を選定中です。
本はすべて市民、全国各地の方たちの「献本」でそろえています。献本という方法を選択したのは「『大ベストセラー作家』の清張さんの本だったら、ファンの家々に、どっさり眠っているはずなので文庫づくりは可能。清張さんだから出来ること」と判断したからです。2月14日現在、著作や写真集、図録、評伝、論文、特集誌が計637冊寄せられています。 あと400冊!!
- お願い
このホーム・ページをお借りしてお願いすることをお許しください。「清張さんのふるさとづくり」≪清張文庫づくり≫構想に賛同された方、応援していただける方で清張作品の蔵書をお持ちの方は、是非、献本にご協力くださいますようお願い申し上げます。
献本に関するご連絡、お問い合わせは下記へお願いします。
〒802-0056 北九州市小倉北区黒住町14-5
小松 康希
☎:093-922-8618 ?:090-3416-9055
E-メール:kkomatsu@lep.bbiq.jp