9月の句会
今月の題は「流」、季語の兼題は「とんぼ」でした。
冒頭南雲先生から今日の句会の俳句は出来が悪いと厳しい指摘がありました。それは俳句は詩であることを皆さんが理解していないと言う基本的な注意です。いくら題材が良くても詩に仕立てあげられなくては俳句になりません。句会会員が深い詩心を持って作句に励むことを思い知った句会でした。
その中で今月の特選句は花房さんの蜉蝣を題材とした句に決まりました。蜉蝣を「そこはかとなきひと日」にまとめたのは、優れた詩であるとの先生の句評でした。
写真は9月の句会特選第一席句「朝顔の蔓の遊びは風の中」の桑島貞明さんです。
今月の入選句
蜉蝣のそこはかとなきひと日かな 花房 俊明
水割りの琥珀の香り流れ星 桑島 貞明
蒼天の風の色選る葡萄狩 大崎 太郎
流木に坐せばたちまち星流る 桑島 久乃
蝉が鳴く今を生きると云っている 八尋 晃
鬼灯を鳴らし少女になりし母 下山 道郎
夕焼のさめて漁火力増す 横田 侃
今月の会員句
渓流へ世代を繋ぐ鬼やんま 土方 元夫
流木の倒木の嵩秋出水 中島 篤三
清流を囲ひ込みたる蝉しぐれ 小川 亶
秋耕のをとこがふたり雲流る 沼田 重子
流れ雲一点動かぬおにやんま 徳弘 多史
蓮尾 碩才 記