阿蘇の野焼き

ボランティア研修会資料によれば、阿蘇地域の草原面積22,000haは日本一で、そのうち16.000haで今も野焼きが行われており、野焼きのための防火帯(輪地切り)の総延長は600km(直線距離にして熊本~京都)に及ぶそうです。阿蘇のカルデラの草原の景観や7000頭の牛の放牧は、毎年の野焼きによって守られているのです。

ボランティア(野焼き2)昨年1月「阿蘇草原保全活動センター・草原学習館」での研修を受け、夫婦でボランティア登録をし、ヘルメット、ゼッケン、笛の貸与を受けゴーグルなどを購入ました。
3月12日、初めての野焼きは南小国町の慈門坊牧野で、ナビでは大野城市の自宅から高速道路を使って2時間14分の場所で、おまけに集合場所は私のナビでは表示しない。8時半の集合時間に合わせ6時前に自宅を出発しました。集合場所から、ボランティアの20人程が軽トラック荷台に5、6人ずつ乗り、山道を揺られて現場に到着。「火消し棒」での消火担当と、20リッターほどの水を入れた「ジェットシューター」担当で、各自2リッターの補充用ペットボトルを背負っています。

牧野組合員の人が、斜面の上部から火入れしメラメラと燃え上がった後を追っていき、消え残り部分を消火します。草木が燃えているときは、ヘルメット、ゴーグルや、タオルで覆っていても熱くて顔が焼けそうです。午後は3時過ぎまで作業。終了後は、200円の温泉入浴券の配布を受けて解散です。

その後の、4月14日の熊本地震の発生で、熊本県内外の家屋、道路、橋、鉄道だけでなく阿蘇地域の草原や山も甚大な損害を被り、各地で通行不能となりました。

ボランティア(野焼き)それでも、今年も「阿蘇グリーンストック」からの案内が来たので、3月5日に南小国町の赤馬場牧野に行きました。ここはすでに放牧を放棄したところで、牛を集めるための鉄柵が錆びて朽ちていました。重いジェットシューターを背負って、手動ポンプで水をかけながら急斜面を縦横に移動するのはなかなか大変です。今回は、飛び火が発生しましたが、全員が軽トラックで駆け付け火消し棒でたたき、水をかけて消火し大事に至りませんでした。

ボランティアは、福岡を中心に九州の各県から参加しています。登録者は730名ほどですが、2月から4月までの野焼きとそれに向けての輪地切りに何回も参加している人が多いようです。私も、できる範囲で続けたいと思います。

(九州同友会  山口 明)

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