第70回定例句会は9月12日、出席者17名欠席投句1名。
今回は久々にほぼ全員が出席・投句となり、賑やかさも増して和気藹々の句会となりました。
9月の兼題は藤井桂子さん出題の「月」です。月はどの季節でも見ることができますが、俳句で「月」は「秋の月」を意味します。
今月の写真は「栗・毬栗」です。栗の実も然りですが、毬栗は素朴で郷愁を覚える秋ならではの素材です。
秋といえば読書、行楽、食欲と、数多のシーンが思い浮かびます。さて、皆さまはどのような「秋」を満喫なさいますでしょうか。
今月の高得点句
朝また光と遊ぶ芋の露 二反田昌雄
航灯の曳く一文字無月かな 横田 侃
稲妻や忽ち海の生めきて 勝浦かよ子
今月の会員句
行く秋や注射の痕も消へぬまま 石澤貞男
天高し十秒の壁破れたり 井上知登
満月と共に過ぎし一人旅 尾上俊平
東屋にコオロギも来る雨宿り 菅 治
ふるさとで月に誘われ遠散歩 隅田 清
秋暑し一歩が重く老い感じ 高田 信義
名月に昨夜忘れし日記書く 津田良夫
サッカーのどよめき和して虫の声 虎井勝義
古る寺の節穴もれる月明り 西岡重毅
月の影我が人生の季節かな 沼井孝次
髪あげて夕刊めくる秋の宵 藤井桂子
古に思いを馳せる御所の月 水川秀樹
篝火に端正な舞月天心 森 茂生
燃えつきて闇に散りゆく酔芙蓉 吉田慶三
廃駅に虚しく輝く月の影 渡辺 恬
次回は10月10日、兼題は「木の実」です。秋は次第に深まり、10月は俳句では晩秋となります。秋の夜長の静かな時間を、暖かい飲み物と共にお過ごし下さい。
(勝浦かよ子 記)