3月13日第76回定例句会 出席者桑田講師はじめ13名、投句3名。
今月の兼題は藤井桂子さん出題の「雛祭」です。
春の兆しを感じる3月3日の桃の節句、雛祭は可愛らしさと幽玄とを兼ね備えた優美な日本の風習です。
桑田先生の準備頂いた雛祭の例句を参考に、季語の意味の深さを読み取る力の大切さを教えていただき、17音に占める季語の深さを知ることとなりました。
今月の写真は百年以上前の優美なお雛様です。雛人形もさることながら「お道具」の繊細さとその量に驚かされます。
今月の特選句
白魚や汲めば光の匂ひして 横田 侃
桜咲く俳諧旗手の兜太逝く 高田信義
身辺におのおのの春すれ違う 隅田 清
(*身辺に→みほとりに)
今月の一句
カーテンに遊ぶ春日の影絵かな 石澤貞男
おさな子が雛段囲みわらべ唄 尾上俊平
薄明り白際立ちし雛の面 勝浦かよ子
須磨明石島に広がる春霞 菅 治
春を呼ぶ若草山の火の莚 津田良夫
淡路島風の道舞ふ春の鳶 虎井勝義
摘んでほしでこぼこに出づ蕗の薹 西岡重毅
鬢付けのかをり車内に春を撒く 二反田昌雄
晴れやかに還暦祝う古雛 藤井桂子
壺焼きを喰いそびれるも痩せ我慢 森 茂生
補聴器に春告鳥の声清か 吉田慶三
手に銃を持ちて卒業今は杖 渡辺 恬
次回は4月10日、兼題は「囀り・百千鳥」です。春爛漫と言うにふさわしいこの時を鳥の囀りを楽しみながら、ご一緒に俳句で満喫したいと思います。
(勝浦 かよ子 記)