5月句会の一句(うめしん句会)

5月8日第78回定例句会 今月の兼題は尾上俊平さん出題の「薄暑」です。
5月は俳句の季題では「夏・初夏」となります。 「薄暑」は本格的な夏の前の外を歩けば汗がにじむ程の、軽やかではあるが少し疲れたような微妙な感情の動きが求められる季語であることを桑田先生からご教示いただきました。
「薄暑」の持つ意味の表現に四苦八苦した兼題であり、季語に沿う難しさを改めて勉強した句会となりました。

今月の写真は伊丹市の荒巻バラ園です。今年は開花が早く、今が最高に綺麗で「花の女王」の絢爛たる姿に出逢えました。

今月の特選句
病室の窓の向こうの薄暑かな     藤井 桂子
釣り糸のふわりと 曲がる初夏の風     石澤 貞男
ふみしめて登る坂道風薫る      吉田 慶三

今月の一句
和菓子屋の軒をかすめし夏つばめ   大屋 真理子
大の字の畳の心地夕薄暑       勝浦 かよ子
涼し森に溶け込む太極拳       菅   治
帽子とり山門くぐる風五月      高田 信義
一セット球打ち合ひて薄暑かな    津田 良夫
連休を水と戯る薄暑かな       虎井 勝義
このトマト作りしは誰道の駅     西岡 重毅
何処にどう隠れて居たか雨蛙     二反田昌雄
野に出でて薄暑の頃のほととぎす      深田 浩士
須磨浦の波のキラキラ夏来たる    森  茂生
夏雲を紡ぐ風車や分水嶺       横田  侃

次回は6月12日、兼題は「夏帽子」で、爽やかさと何処となく郷愁を感じる季語です。さて、どのようなノスタルジーに出逢えますでしょうか。

(勝浦かよ子 記)

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