今月の一句(7月どうしん句会)

 

今月の兼題は「雲の峰」でした。「雲の峰」は夏の空に立ちあがる壮大な積乱雲を指しますが、峰雲・入道雲とも言い、面白いのは坂東太郎も川ではなく夏雲を云ったものです。

また写真は6月の特選第一席句蓮尾碩才さんの「梅雨晴間潦には草の舟」です。

以下特選句・入選句と会員の句を掲載します。

 

今月の特選句

雨垂るるガラスの窓やアイスティー   佐道正

新しきシャツの襟立ち雲の峰      下山道郎

夏痩せと言いたし父の両の腕      野崎幾代

 

入選句

諍いの後はメダカに餌与ふ       桑島久乃

峰雲やスカイツリーの反射光      鹿兒島俊之

小包の鮎のあめ炊き姉の味       中川昌明

 

会員の句

夏草や見て見ぬふりのわが狭庭    花房俊明

山々やゴジラ現わる雲の峰       土方元夫

梧桐に句を見つけたり幹の裏      中島篤三

雲の峰イルカのショーの水飛沫     小川亶

めぐり来て豪華客船雲の峰       桑島貞明

再入院したる病室夏巡業        大崎太郎

峰雲の底にぶ色に雨模様        徳弘多史

デラシネの大きなうねり雲の峰     蓮尾碩才

富士山にポパイのやうな雲の峰    坂井正巳

青田道人影遠くまた遠く         浅野浩利

 

(蓮尾碩才 記)

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