9月11日第82回定例句会 今月の兼題は藤井桂子さん出題の「天高し」です。
関西は6月の地震、8月の大雨、そして台風21号と甚大な被害に見舞われ、北海道では大規模な地震があり、この夏日本列島は経験のない自然災害に遭遇しました。 台風21号の被害は、当句会会員も桑田講師をはじめ数人が2日間の停電生活を余儀なくされましたが、大きな被害はなく安堵と無事を確認する句会となりました。
桑田先生から9月は『秋・中秋』であり、月・虫・空・雲・風などを秋の感覚としての捉え方や、季語の説明にならないように、声を出して詠み句を推敲してみるように、との教示をいただきました。
今月の写真は蓼科で、高原では一足早く季節が移ります。『天高し』の句と共にご鑑賞下さい。
今月の特選句
上棟の掛矢の響き秋高し 横田 侃
山彦と掛け合う子等や天高し 二反田 昌雄
玉入れの仰ぐ視界や天高し 石澤 貞男
今月の一句
息潜む雨戸の家並み台風裡 大屋 真理子
錫杖の響くや奈良に律の風 勝浦 かよ子
天高くわれ行くままに足2本 菅 治
草むらに寝転んでおり秋高し 隅田 清
静かなれ瑞穂の国の秋日かな 高田 信義
天高し気の遠くなる空の青 津田 良夫
水遣れば幽けき風の涼新た 虎井 勝義
平飼いの鶏刻つげる秋の朝 西岡 重毅
台風の渦の真中は閑かなり 深田 浩士
秋高し公会堂の四重奏 藤井 桂子
焼魚にはじかみを添え老夫婦 森 茂生
秋高し風の姿を見てをりぬ 吉田 慶三
次回は10月9日、兼題は「流れ星・流星」です。 ご一緒に銀河鉄道の旅にでかけましょうか。 次回もお付き合いください。
(勝浦かよ子 記)