3月句会の一句(うめしん句会)
3月12日 第88回定例句会 今月の兼題は藤井桂子さん出題の「風光る」です。 「風光る」はどこかに希望や新しさを感じさせる響きがあります。
兼題について桑田先生より『風に揺らぐ木々の葉もまばゆく、それを風が光ると感じる風景を詠むように』とのお話をいただきました。
今月の写真は、安曇野の雪解け水が湧水となって、そこここに湧き出ているわさび田湧水群の写真です。 湧水が光りと溶け合ってまばゆい風景です。
<今月の特選句>
1席 トップ行くランナーの肩風光る 津田 良夫
2席 春燈のともりて浦の形なす 横田 侃
3席 友ケ島へ舳先のしぶき風光る 虎井 勝義
<今月の入選句>
剃髪の緊張ほぐれ風光る 石澤 貞男
小走りのナースの白衣風光る 石澤 貞男
風光るブルーシートの残る街 大屋 真理子
「乗れたよ」とペダル踏む子に風光る 勝浦 かよ子
やっと咲く路地の日陰の金鳳花 隅田 清
ビル解体ユンボに春の雨やさし 津田 良夫
春泥の靴ならびをり検診車 横田 侃
山笑う杖を頼りの里帰り 𠮷田 慶三
<今月の1句>
春の風足跡辿って歩むいま 尾上 俊平
老木の咲きどきを知る梅一輪 菅 治
ヅカガールの緑の袴風光る 高田 信義
風光る陛下のお声凛として 西岡 重毅
おはようと子等ハイタッチ風光る 二反田 昌雄
競漕のオールにあわせペダル漕ぐ 藤井 桂子
産湯より取り上げし児に風光る 森 茂生
次回は4月9日、兼題は「麗か・うらら」です。 春の心地よさを五感で捉えた季語であり、心が浮き立つような感覚を俳句でどのように表現できるかをご一緒に楽しみたいと思います。
(勝浦かよ子 記)